僕は海外でする仕事をずっとしてきているので、かなりの期間日本以外の地域で生活しています。すると、いわゆる先進国と途上国の違いを否応なく見ることになります。ビジネス上の事柄だけでなく、地元の人々の生活を目の当たりに見ることになりますので、国ごとに生活レベルがかなり違うということを身をもって体験することができました。
いろいろな国を回ってきましたが、途上国での仕事が多かったので、日本との違いを感じる機会がたくさんあり、その生活レベルに合わせて僕も生活を楽しむようにしてきました。日本と途上国の違いはあまりに大きく、ほとんどすべての分野で差がありますが、根本的に「不便なのが当たり前」というのが途上国で過ごした感想です。
電気や水道が止まるというのは欠かせないイベントのようなもので、止まることを前提に家を整備しておく必要があります。家の中のリビングや廊下などにろうそくとマッチを置いておき、電気が切れたらすぐに付けられるようにします。水がなくなってもいいように、大きめのバケツに少なくともトイレ用の水を溜めておくようにします。ガスは日本のように都市ガスが整備されていることはまずなく、プロパンのボンベです。しかも、日本では家ごとにメーターがついていて、ガスがなくなる前にガス会社が交換してくれますが、途上国ではボンベ一本買いが基本です。ボンベのガスがなくなるまで使い、料理をしていてガスが切れたら、ガス屋さんに電話をして新しいボンベを持ってきてもらうというシステムです。
世界8ヵ国のガス事情|http://www.kaigaikakibito.com/blog/world-gas-power/
こっちはちょっと固めですが参考記事を。
LPガス読本|http://www.nichidankyo.gr.jp/toku/chapter7/
また、特に差を感じるのが自動車です。日本は世界トップクラスの自動車生産国ということもあって、どこに行っても新しい車、しかもきれいに洗車されている車が走っています。整備もしっかりしていますので、故障することはまれです。一方で僕が行った国のほとんどは、古い1990年代から2000年代の車が多く走っています。しかも、中古車が異常に高く、日本だと10年落ちのほとんど値が付かないような中古車が平気で30万円、50万円という値段で売られています。しかも、走行距離20万キロ、30万キロというのは当たり前で、文字通りつぶれるまで走ります。整備も壊れてから直すというのがほとんどの人の感覚ですので、主要道路を走っていると故障した車を結構見つけます。
池上彰さんの対談記事では、アフリカでの自動車販売事情について書かれてありました。海外に目を向けると日本が進出できそうなビジネスチャンスはいろいろあるなと思います。
池上彰と歩く「アフリカビジネス」|https://special.nikkeibp.co.jp/as/201207/africa/
このように、どの途上国でも生活レベルは低いと言えますが、のんびりとして幸せそうな様子が見られ、個人的には印象に残っています。幸せとお金というのは比例するわけではないのかなと思います。